【キズナアイ】意外と盲点だった「バーチャルYouTuber(アイドル)」というジャンル。
彼女達は主にYouTubeを動画投稿の場として活動をしている『バーチャルYouTuber』なのだが、それがニコニコ動画に輸入され、2017年12月の中旬頃からランキングにも載るようになり人気が出始めている。
現在確認できるだけでも、「キズナアイ」「ミライアカリ」「電脳少女シロ」など、個人制作、法人問わず10種類以上のバーチャルYouTuber(バーチャルアイドル)が存在している。※2017年12月28日時点
キズナアイは音声合成ソフトを利用したAIアイドル?
これまでバーチャルアイドルといえばニコニコ動画内では「初音ミク」が有名で、初音ミクは立体映像技術やスクリーンを利用したライブで実際にイベントを行ったり、CGやMMDなどバーチャルな世界で活動してきた。
初音ミクはVOCALOID(ボーカロイド)と呼ばれる音声合成技術ソフトを利用したバーチャルアイドルで、キャラクター性としては完璧な2次元アイドルである。
そして最近流行り始めたバーチャルYouTuber「キズナアイ」
キズナアイの存在をニコニコ動画で初めて認識した時は、名前のなかに「A.I.」の文字が入っているので、当初はAIの人口知能を利用した自動音声製作ソフトで話すアイドルがついに誕生か?と期待したのですが・・・
実際にはキズナアイのキャラクターCGに中の人(声優さん)が声を充てて、ゲームのプレイ実況や雑談動画を上げるという、現実のヒカキンや他のゲーム実況者が行っている活動と同じスタイルで、それの2次元版なのでバーチャルアイドル+YouTuberで『バーチャルYouTuber』ということなのです。
試みとしては面白い「バーチャルYouTuber」
これまで2次元キャラクターのゲーム実況動画でいえば「結月ゆかり」や「弦巻まき」「琴葉茜(ことのはあかね)」、東方キャラから派生した「ゆっくり(霊夢、魔理沙)」の立ち絵を利用した作品が主流でしたが
これらの実況動画ではゲーム動画の撮影、編集、動画投稿(エンコード)、これに加えてVOCALOIDやゆっくり実況などのソフトークを使用する編集の手間が一つ増えるため、動画の生産効率でいえば、リアル人間が実況するよりも時間的な制作コスト増加し、動画の投稿ペースがどうしても落ちてしまう。
その欠点をカバーするため、キズナアイなどの「バーチャルYouTuber」では、声優さんを使ってしゃべらせるというアイデアは面白い。
これまで何故「バーチャルYouTuber」は存在しなかったのか?
昔からキャラクターに対し声優さんが声をあてるアフレコ(アフター・レコーディング)は一般的な手法だった。
例えばテレビ番組でいえばガチャピンやムックなどの着ぐるみにナレーションを付けたり、アニメや映画の吹き替えなんかもみんな同じ手法。
戦隊ものや仮面ライダーシリーズなど俳優さんが後から声の部分だけを再録する「アテレコ」なんて方法もある。
■YouTuberが世間一般に認識されはじめた2013年
ヒカキンがテレビや雑誌などのマスメディアに取り上げられYouTuberが有名になり始めたのが確か2013年頃。
TOPになれば億単位でお金が稼げる職業として2014年~2015年頃には世間一般にも浸透していたと思うが、世界初のバーチャルYoutuber(自称)としてキズナアイが活動(動画投稿)を開始したのが2016年11月26日の「Twitterアカウントを作るよ!」からだから(たぶん)
バーチャルYoutuberというジャンルが誕生したのは早くても2016年の後半ということになる。
キズナアイの動画スタイルや編集方法は既存Youtuberのパクリなのだが、バーチャルYoutuberとしては先駆的な存在である。
海外でもこの属性のキャラクター(バーチャルYoutuber)というのを個人的に見たことがなく、もしかしたら今後は一つのジャンルとしてコンテンツが発展していくかもしれない。
2018年以降、彼女たちバーチャルアイドルの活躍に期待したい。
2018年今後注目のバーチャルYouTuber達
キズナアイ
バーチャルYouTuber業界の先駆者として海外勢に人気の高い「キズナアイ」
白いセーラ服のような服装と、双葉をイメージしたハート型のカチューシャ、ピンクのメッシュが入った髪が特徴的。
「世界初のバーチャルYoutuber」として2016年12月頃から活動を開始しており、Youtubeのキズナアイ公式チャンネル『A.I.Channel』は登録者数が現在110万人。サブの『A.I.Games』もチャンネル登録者数が37万人と圧倒的。
動画投稿数は約200本、再生数は一番再生回数が多い動画で220万回越えと、バーチャルYoutuberのなかでも頭一つ飛びぬけた存在である。
※2017年12月28日時点での情報
■2017年12月17日にキズナアイのYouTube公式チャンネル「A.I.Channel」がチャンネル登録者数100万人を超える。(動画投稿を開始してから約1年1か月で100万人達成)
ミライアカリ
2017年10月27日からYouTubeにて「ミライアカリプロジェクト」として活動を開始した『ミライアカリ』
2017年12月28日時点でのチャンネル登録者数は約24万人。
金髪のサイドテールに蝶形の青いリボンがチャームポイント。胸元には青いコサージュと黒いリボンがつけられている。
動画冒頭でアカリポーズを決めながら「ハロー!ミライアカリだよ」と元気に言うのがお決まりの挨拶。趣味はエゴサーチで自らを「エゴサーの姫」と自称する。
「ミライアカリプロジェクト」のために6000万円の初期投資が掛かっているとの噂もある借金の多いアイドル。
公式イラストレーターは初音ミクをデザインしたKEI氏である。
ミライアカリの公式チャンネルでは、次元の壁を越えて海外のユーザーと交流する「VRChat」の動画が面白かった。
電脳少女シロ
電脳少女シロはアイドルに憧れて現在YouTubeで活動をしているバーチャルYouTuberで、バーチャルYouTuberの中ではキズナアイに次いで動画の投稿歴が長い。
ドラゴンクエストシリーズを6以外全部プレイしており、中の人が結構多芸。声は素のお姉さんボイスの方がいいとの評判も。スペイン語を聞いただけで発音を真似できるなど彼女の基礎能力は高い。
【参考動画】
【音量注意】萌えボイスで起こしてくれるセリフ集【078】 - YouTube
活動開始当初、半年間くらいは動画の再生数が1本平均2,000~6,000回、チャンネル登録者数が1万人程度だったが、12月に入り、ニコニコ動画でバーチャルYoutuberが流行り始めてから登録者数が7万人と、約1週間で6万人増えた。
【追記】最近は1日1万人のペースでチャンネル登録者数が増えており、12/29日に登録者数が10万人を突破した。
投稿動画はYouTubeよりニコニコ動画の方が再生数が多い感じ。
2017年12月28日時点での動画投稿数は147本、チャンネル登録者数は9万人と、他のバーチャルYouTuberと比べるとまだまだ少ないが伸びしろはありそうな娘。
■ バーチャルYouTuberの中では可愛い方だと思う。
【踊ってみた】Hand in Hand ハロウィンver.【電脳少女シロ】
ヤマト運輸の年末アルバイト時給2,000円は幻想なのか?
ヤマト運輸の年末時給2,000円について
日経新聞やTwitterなどで「ヤマト運輸、年末の時給2,000円」と取り上げられていたから、いよいよ日本の労働者も給料が上がり始めたか?と期待して記事を読んだら・・・
どうも時給が2,000円になるのは宅急便の配達ドライバーの場合で、しかも運転手が集まりにくいといわれる神奈川県の一部地域限定。
調べてみると荷物の仕分けや倉庫作業なんかはフォークリフトの免許を持っていても年末の繁忙期に時給1,000円とか大した金額ではなかった。
2017年 ヤマト運輸、年末のアルバイト時給を調べてみた
タウンワークやフロムエーの求人票を見てみても、11月下旬から12月末までの時給は、荷物の仕分けで時給850円から1,200円(深夜)程度。
中には深夜で時給1,400円や皆勤手当で5,000円が付く営業所もあったが、12月のくそ忙しい時期のアルバイトにしてはそこまで良い時給とは思えなかった。
※人手不足と言われる物流業界大手の時給でもこの程度である
郵便局の年末アルバイトの時給
2017年、日本郵政のアルバイト採用情報では、東京都内の郵便局の年賀状仕分けスタッフで時給960円~980円。
ハガキなどの郵便物やゆうパックの配達員で時給1,100円程度。
東京都内の最低賃金が958円(※2017年10月1日より)だから、年賀状の仕分けスタッフは最低賃金とほぼ変わらない金額で募集されている訳である。
日本郵政はオーストラリアの物流会社を6,000億円(2017年4月に4,000億円の減損処理をしたので現在の資産価値は2,000億円程度)という無駄に高い金額で買収したが、日本の仕分けアルバイトには最低賃金から+2円の価値しかないと見ているようである。
企業の現預金はこの5年で48兆円増の211兆円。株主への配当金は7兆円増の約20兆円に増えたが、労働者の給料(人件費)はこの5年で2兆円しか増えていない。
また、この2兆円の部分も消費税の増税や物価の上昇でほぼ相殺、下手したら実質賃金ベースで消費者の使えるお金に関しては5年前より減ってるのでは?と思うくらい、給料は全く増えてないのである。
企業が儲かれば労働者に還元されるトリクルダウンなんてもはや幻想。
アベノミクスが始まった当初からこうなることは予期してたけど、普通に働いてるだけじゃ一般人には全然お金が降りてこないね。
日本では2020年の東京オリンピックをピークにまた、下り坂を転げ落ちると言われているが、個人はそれを見据えて働いていくしかない。
政府は正社員にも副業を認めるよう働きかけているが、その裏にある思惑というのを、労働者は考えて生きていかねばならない。
ニコニコ動画が衰退(オワコン化)した理由を考える
ニコニコ動画の衰退が止まらない
ニコニコ動画の有料会員(月額540円)であるプレミアム会員数が2016年9月の256万人をピークに2017年9月は228万人と、この1年間で約28万人も減少しています。
プレミアム会員数
16年03月:256万人
16年06月:256万人
16年09月:256万人 ←ピーク
16年12月:252万人(-4万人)
17年03月:243万人(-9万人)
17年06月:236万人(-7万人)
17年09月:228万人(-8万人)
ニコニコ動画は2007年1月15日の正式サービス開始以来ずっと右肩上がりでプレミアム会員数が増加傾向にあったのだが、2016年12月にプレミアム会員数が-4万人と初めて減少に転じたあとは、その後も止まることなく現在(※2017年9月時点)まで会員数が減り続けています。
ニコニコ動画ではプレミアム会員数だけでなく「投稿動画数」「再生数」「コメント数」も近年減少傾向である。
ニコニコ動画が衰退した4つの理由
・YouTubeの台頭
・コメント数の減少
・多様性の減少
・人気実況者のYouTubeへの流出
YouTubeの台頭
ニコニコ動画衰退の原因としてまず思い浮かぶのがYouTubeの台頭です。
ニコニコ動画にはコメントが表示されるという独自性と、YouTubeに投稿される動画は主に海外向けのコンテンツが多かったので、一時期はきちんと住み分けが出来ていた気がするのだが・・・
ヒカキンがYouTuberとしてメディアでも注目され始めた2013年~2014年頃を境に、日本でもYouTubeを観る人が多くなり、最近では「ヒカキン」や「はじめしゃちょー」などの人気もあって、特に20代以下の層ではニコニコ動画よりもYouTubeを観ている人の方が多いというデータもあります。
人気があるサービスには必然的に面白いコンテンツやセンスのある動画投稿者が集まりやすく、 それが更にユーザー(視聴者)を呼ぶ好循環が生まれやすく
逆に、廃れていくサービスというのは面白いコンテンツ(動画)が減る→利用ユーザーの減少→動画投稿者の減少→以下ループの悪循環に陥り、まさに今のニコニコ動画がこの状態(悪循環)に突入し始めているように私は感じます。
■大幅なコメント数の減少
2008年 967,974,718
2009年 575,309,322
2010年 616,297,920
2011年 581,933,000
2012年 481,696,372
2013年 341,239,161
2014年 305,483,167
2015年 313,251,294
2016年 250,661,566
2017年10月25日まで 166,232,569
ニコニコ動画では2008年のピーク時に、年間で約9億6,000万ものコメント数があったが、それが2016年には約2億5,000万コメントまで減少。
そして2017年は総コメント数が2億を割る可能性まででてきた。
総コメント数が減った原因については、2008年~2010年頃まで比較的ニコニコ動画にパソコンユーザーが多かったのに対し、2011年以降はスマートフォンやニンテンドー3DSなどの台頭で、キーボードで文字を打つ文化の衰退・消失(スマホでコメントを打つのは面倒くさい)が考えられるが・・・、それにしても減り過ぎである。
コメント数の減少は「コメント付きで動画を観る楽しさ」「実況chのライブ感」「補足説明コメントの面白さ」など、ニコニコ独自の良さ(武器)を削ぐ形になっており、この点もユーザーのニコ動画離れを加速させています。
多様性の減少
2015年頃に起こった「マリオメーカー問題」を覚えているだろうか?
任天堂のクリエイター奨励プログラムの開始とともに、マリオメーカーの動画ばかりがランキングを独占し、動画の多様性が失われた事件。
クリエイター奨励プログラムによって動画投稿者に利益を還元すること自体は素晴らしい仕組みなのだが、人気や再生数を稼ごうと思ったら、今話題のゲーム、人気のジャンルに動画投稿が偏ってしまう弊害がどうしても起こってしまう。
YouTubeでもヒカキンの動画が流行ったら、ヒカキンの動画編集をまねて、みんな似たような企画や動画しか投稿しなくなってしまう。それによる多様性の消失はユーザーの「飽き」を加速させ、ニコニコ動画全体の衰退につながってしまう。
マリオメーカー問題自体はデモンズソウルやダークソウルの実況で有名な「ふぅ」の問題提起により一応の収束を見せたが、今思えばこの時からニコニコ動画の衰退は始まっていたのかもしれない。
人気実況者のYouTubeへの流出
ニコニコ動画衰退の要因として最近感じるのが「人気実況者のYouTube流出」です。
2017年に入ってからレトルト、キヨ、ガッチマンなど、2008年~2009年のニコニコ黎明期から動画を投稿し、ニコニコ動画の人気を支えてきたゲーム実況者たちが軒並みYouTubeへ移籍してしまったのである。
これらの実況者はYouTubeでは毎日動画を投稿しているのに対し、今年はニコニコ動画での投稿活動を殆どしなくなってしまった。そして、彼ら人気実況者がいなくなった時期とニコニコ動画のプレミアム会員が急激に減少した時期が符合する。
私自身、2017年に入ってからニコニコ動画を視聴する機会の減少、ニコ動を利用したとしてもマイリストに登録した過去の動画を見直す時間の方が長くなった気がします。
かつて「初音ミク」や「ボカロ曲」「東方」「ゲーム実況」「歌ってみた」など様々な流行や独自のコミュニティを産み出してきたニコニコ動画。
2017年にはニコニコ動画正式サービス開始からちょうど10年が経過しましたが、この先さらに10年サービスが続くよう、ニコニコ動画運営には頑張って欲しいものです。